TETSUYA KUSU Photography

Issued by one Japanese photographer from the world's end.

岩手の川

_MG_4469.jpg

かれらは精魂尽き果て、滔々とした北上の流れに屍を委ねていた。

鮭の遡上の話は以前から友人のくまちゃんに聞いており、いつかは撮影しようと考えていた。
今年は遡上の最盛期に他のスケジュールが集中してしまい諦めかけていたのだが、
幸か不幸かメキシコ行きの予定が急遽変更し時間が出来たので、ここぞとばかりに岩手へと出向いた。

岩手へ行くのは去年に続き二回目、今回ももちろんくまちゃんファミリーにお世話になる。
奥さんが切り盛りする、のんちゃんラーメンに集う皆は相変わらず元気そうで、一年ぶりに来た僕を覚えてくれていた。
気取らない、心からのおもてなしに幸せな気持ちになり、毎度本当に来てよかったと思う。

撮影に許された時間はまる二日、自然の生態を写真に収めるにはあまりにも短い時間だ。
ロケーションの下調べをほとんどしないままやってきたのは、地元の海、川、山を知り尽くした
くまちゃんの、ガイドとしての実力を全面的に信用しているからに他ならない。

まず近くの川にて鮭の存在を確認、橋の上からのぞくと点々と泳いでいるのが見えた。
初めて見る鮭が遡上する姿は感動的であったのと同時に、思った以上に困難な撮影となる事も予想できた。
イメージしているいくつかのシーンの成否は、やはりくまちゃんの知識と経験に大いに依存することとなる。

時間の許す限り川を観察。すばらしい清流が手の届く範囲に沢山あり、あらためて岩手の懐の深さを体感する。
遡上しているはずの川にまったく魚影が見られず少々不安になることもあったが、最終的に案内してもらった場所は
非常に撮影に適した場所で、低い水温に凍えながらも撮影に集中できた。

川で孵った稚魚は流れに乗って下り、海を渡って4、5年の旅の後、再び自らが生まれた川へと帰る。
子孫を残すために、河口から百数十km、時には二百km以上、何も口にせずボロボロに傷つきながら決死の旅をする。
浅い川に横たわり、ひたむきに上流を目指す彼らと水中で対峙した時、感じられたのは自然の偉大さに他ならなかった。

いくつかの課題は残ったものの、短時間の撮影の割りには思った以上に成功し、そのうえ最高に新鮮な
鮭料理や旬の物をたらふくご馳走になった。鮭を観察した後に食べたイクラや切り身は殊更においしく感じ、
たった二日間とは思えないほどの充実感を得て帰路についた。

知っているようでほとんど知られていない岩手の大自然と人々の暖かさ。
「次は熊を撮りに来い」と、冗談ともつかぬ誘いにうっかり乗ってしまう。

二度目のみちのく体験は郷愁とともに、僕の撮影意欲を北へ北へ、と駆り立てる。


  1. 2009/10/28(水) 03:39:07|
  2. Japan
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

写真展『海で逢いたいVer13.1』神戸にて巡回展

4月に大崎のO美術館にて行われた水中写真展『海で逢いたい』、
今までは関西周辺からも遠路はるばる足を運んでいただいておりましたが、
13回目の今年は神戸に巡回展を行います。

【名 称】 海で逢いたいVer13.1
【日 時】 6/14(日)-6/21(日) 6/15は休館日
【時 間】 10:00〜18:00 *最終日16:00閉館
【会 場】 兵庫県神戸市 兵庫県立美術館王子分館 原田の森ギャラリー 西館2階展示室
【入場料】 無料

O美術館での開催に引き続き、水中写真約100点を展示。

日本で二番目に古い近代美術館であった原田の森ギャラリーでの開催です。
阪急電車、王子公園駅から西へ徒歩約6分という便利な立地にあります。
今までの東京開催にお越しいただけなかった皆さん、是非ゆっくりと
水中写真の世界を堪能してください。

会場への交通機関の詳細は原田の森ギャラリーHPをご覧ください。
http://hyogo-arts.or.jp/harada/

  1. 2009/06/05(金) 15:37:19|
  2. Japan
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

4/23 エコツーカフェ『マーシャル諸島』にてスライドショー&トーク

_MG_1729a.jpg

●第31回 エコツーカフェ 『マーシャル諸島』
  4月23日(木) 18:30〜20:00(18:00開場)

日本エコツーリズム協会が開催する、エコツーカフェにてスライドショーを行います。
テーマはマーシャル諸島。政府観光局澤井さんがメインスピーカーとして講演します。

【ゲスト】澤井俊哉(マーシャル諸島政府観光局)、楠哲也(フォトグラファー)
【参加費】1000円(軽食・飲み物付) 【定員】25名 
【会場】Asante Sana 目黒店 (東京都目黒区三田2-7-10-102 )
【対象】どなたでも        
【後援】日本旅行業協会 
【お申込み・お問合せ】 日本エコツーリズム協会 
【HP】http://www.ecotourism.gr.jp/event/cafent/

●月刊ダイバー最新5月号
  先日取材に行ったタイ、クラビ&トラン紀行の特集が掲載されています。
  タイの隠れた人気スポットであるクラビ、そして観光地化されていないトランの紹介です。 
  是非ご覧ください。


東北ロケもいよいよ佳境。桜は満開です。
4月24日からは二年ぶりのタオ島。
GW中ビッグブルーに来る皆さん、よろしくお願いします!

写真家 クステツヤの公式HPは http://tetsuya-kusu.com/

  1. 2009/04/16(木) 22:01:51|
  2. Japan
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

最近の仕事などなど

_MG_7203ddd.jpg

「テツさん、最近は雑誌の仕事していないんですか!?ブログはアップされないし・・・」

と、ここ数日何人かに尋ねられた。
スチール写真が本業の私、勿論やってますよ〜!ということでさかのぼって雑誌仕事を一部ご紹介。
発売月が過ぎてしまったものも多いけど手にとって見てくださいね!
(ブログはただの筆不精です。ゴメンナサイ。)

●月刊ダイバー 7月号
  ・綴じ込み保存版 リゾート満喫 Cカードを南国で取ろう

●島へ。 9月号
  ・島写真家 私のお気に入りの1枚

●月刊ダイバー 11月号
  ・特集 THAILAND  アンダマン海の季節がやってきた!
  ・付録 ダイビングハンドブック 「タイ」

●月刊ダイバー 12月号
  ・特集 学生限定! あいのりクルーズ

●Big Boat SELECTION 2008-2009
  ・特集 973ポンドのビッグマーリン ハワイ島HIBT取材

などなど。
他にも紙媒体や広告、写真の展示&販売なども行っております!

そして一番最近出た刊行物が上の写真、タレントのMEGUMIさん&OKAMAIさん責任編集による
フリーマガジン「FREMAGA(フリマガ)」! 12月15日発刊

毎号紙面のフォーマットが違う、知る人ぞ知る業界人&大物タレントが多数寄稿している、など
今話題を呼んでいるこのフリーマガジン、Vol.5は超横長のフォーマットでテーマはPHOTOGRAPH。
誌面中ほどから少し戻った所の見開きが僕のページです。

全国のTOWER RECORDS、ちょっとコジャレたカフェや服屋さん、海外にも多数設置場所ありです。
フリーマガジン、勿論タダ。どんどん持ち帰って楽しんでください。
今回の僕の中でのヒットは清水ミチコさんの写真。笑えますw

そして年末年始はいつものマーシャル諸島にクステツヤが登場!!
昨日は長野に行ってたし、最近寒いところばかりだったのでようやく暖かいところに逃げられます。
来年には新たな企画もスタート予定、ますます頑張ります!

それでは皆様良いお年を!


写真家 クステツヤの公式HPは http://tetsuya-kusu.com/

  1. 2008/12/22(月) 05:59:02|
  2. Japan
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

岩手の海

名称未設定 1

岩手で潜って来た。

岩手にはダイビングショップで働いていたころの友人、クマちゃんがいる。
そのクマちゃんを訪ねての旅だった。
バンコクから帰国した当日の夜に出発。
相変わらずの強行軍だ。

東北へ行くのは実は初めて。
東京から新幹線で2時間半、意外と近いことに驚いた。

最高水温が20度前後と普段潜っている海と比べると非常に冷たいのだが、
ダイビング当日は幸運にも快晴で、ウエットにフードベストで十分!?なコンディション。
恐る恐るエントリー。

南国の海で弛緩した体が引き締まるその寒さに最初は戸惑いはしたが、
水中に入るといつもとは違う北国の生物たちを前に大興奮!!
寒さを忘れ撮影に熱中した。

今までほとんどフィーチャーされたことの無い岩手の海。
潜っているダイバーはいるが、ほとんど開発が進んでいないのは
漁協との折衝に骨をおるためだ。

しかし、世代の入れ替わりとともに生粋の岩手人である彼が情熱を持ってやり続ける限り、
レクリエーショナルとしてのダイビングもいずれ浸透してくるに違いない。
すぐ南の宮城県があれだけダイビングが盛んで海が面白いのも、地元の若手が
頑張っているからだ。

三陸沖に世界でも有数の漁場が広がる岩手のダイビングが面白くないわけが無いだろう。
手付かずの海は日本国内にもそれほど多くない。

興味がある方は是非一度行くといい。
新しいダイビングの世界、無数の温泉、他では味わえない地元料理、そして自分の故郷と
錯覚するような岩手の人々の優しさが待っている。

クマちゃんのブログ
http://hayatine3.blog83.fc2.com/


  1. 2008/09/28(日) 14:57:38|
  2. Japan
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

Profile

写真家 楠哲也

_MG_8127f2.jpg

バックパックを背負ってアジアを放浪、タイで6年間を過ごした後、
ダイビング専門誌や週刊誌などで水中をテーマにした写真を次々に発表。
広告やエディトリアルの仕事で年間の半分近くは海外にて取材撮影、
写真集、GORGEOUS -UNDERWATER THAILAND-は日本、タイで販売され話題を呼ぶ。
現在はスチール撮影にとどまらず、日本の民放やタイ国営放送のプログラムでムービーカメラマンも担当、ワールドワイドに活動中。
オフィシャルホームページは
tetsuya-kusu.com

※本サイトの画像に関しまして、無断転載、無断使用を禁止いたします。全ての著作権は楠哲也に帰属いたします。画像使用をご希望の際はメールにてお問い合わせください。

Books

楠哲也1st写真集
『GORGEOUS』好評発売中!
初期ロットナンバー入り残りわずか!
サイン入りご希望の方は注文時にその旨をお伝えください。

KUSU-hyoushi-9_editedd-1.jpg
ダイバーも、そうでない方にも、タイの水中に広がる色とりどりの水中景観を楽しんでいただける斬新なフォトブック。仕事中のちょっとした息抜きに楽しんでいただけるようハンディなサイズにしました。

【サイズ】 B6 100ページ
【定 価】 2.500円(税込)
日本限定2000部
タイ国政府観光庁公認

ご注文の際はメールにてお問い合わせください。

下記WEB媒体にて『GORGEOUS』をご紹介いただいております。
  • タイ国政府観光庁HP内「LET'S THAILAND」
  • タイ国政府観光庁HP内「メディア情報」
  • スキューバダイビングの総合情報サイト「ダイブネット」
  • タイはタオ島、カオラックにあるダイビングショップ「ビッグブルーダイビング」
  • プーケットのダイビングショップ「マリンクエストダイバーズ」のブログ
  • エイ出版社の敏腕編集長が綴るブログ「なるさの日記」
  • Categories

    Articles

    Archives

    RSS